『SDGs思考 社会共創編 ―価値転換のその先へ プラスサム資本主義を目指す世界―』という重厚な教科書を用いて、持続可能な開発目標(SDGs)が現在や未来の世界に対してどのような意味を持つのかをクラス全体で学びました。6つのチームが順番にそれぞれ担当する章の内容を発表し、それをもとにした意見交換でさらに学びを深めてきました。学期後半には、こうして得た学びを発展させる形で、個人の研究レポート作成と授業内発表をおこなっています。各自が考える最優先の課題をSDGsの議論のなかから見つけ、その解決、あるいは状況改善に向けて何ができるのかまで考えます。貧困、飢餓、教育、ジェンダー、気候変動など、様々な目標が優先課題として報告されます。同じ目標を対象としていても、人によって異なる視点から現状を分析しており、解決への道筋も多様なので、さらに深く広い学びにつながっています。国連でのSDGsの採択からもうすぐ10年経ち、日本国内でのSDGsの認知度も高まってきました。それでも、各個人が持続可能な開発を自分ごととして理解し、行動を起こすことは必ずしも簡単ではありません。このクラスでは、お互いから学び合うことを通じて、自分ごと化が回を追うごとに進展しています。教科書の題名にある「社会共創」とはこのようにして実現されるものなのか、と担当教員自身も学ばせてもらっています。
